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トラストトレイン
【 静岡県島田市】
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ラストランのニュースをたびたび耳にする現代。使命を終えた多くの鉄道車両が惜しまれながら引退していきます。公益財団法人日本ナショナルトラスト(JNT)は、鉄道車両が鉄道文化財として考えられていなかった1980年代にその動態保存・活用に乗り出しました。そして旧国鉄の協力と市民の募金により1986年度に蒸気機関車と客車3両を取得し、それらを総称して「トラストトレイン」と呼んでいます。
トラストトレインは1937年製造のC12形タンク式蒸気機関車、1951年製造のスハフ43形特急用3等客車2両、1955年製造のオハニ36形荷物合造客車の計4両です。 C12は上諏訪、岡山、厚挟、木曽福島機関区で、スハフは特急「さくら」「かもめ」「はつかり」等名門特急列車の3等車として、オハニは紀勢本線、山陰本線の急行列車等として活躍しました。現在トラストトレインは大井川鐵道(静岡県島田市)にて年5回程度運行されています。
取得後も多くの方々からの寄付・募金により動態保存は支えられ、また、簡易な修理や清掃はボランティアを募り実施してきました。そして現在は年に約5回のボランティア活動を行っており、そのうち夏場の1回は「親子ボランティア」として実施しています。ボランティア活動では車両の清掃や運行補助のほか、活動を周知するためにパンフレットの配布などを行っています。またボランティア間でミーティングも行い、ボランティア活動を充実させるためには何をすればよいか、またボランティアや協力者を増やすにはどうすればよいかなど知恵を出し合い、行動に移しています。 また、親子ボランティアでは次世代を担う子供たちに歴史的車両を守っていく楽しさや喜びを伝えるため、歴史的車両と触れ合う機会、保存・活用に関わっているボランティアの方々や大井川鐵道の鉄道マンの方々と交流する機会を設けています。
私たちJNTは鉄道事業者とともにトラストトレインの公益的な保存・活用に取り組んでいます。そこで協力関係にあるのが大井川鐵道株式会社です。大井川鐵道に日常の運行・管理をしていただき、さらにボランティア活動のサポートもしていただいています。また2016年からは、休車中のC12の動態化に向けての協力も始まりました。
今後もボランティアの皆さんや大井川鐵道の皆さんと協力し、工夫しながら活動していきますが、活動の継続、活発化のためには皆さまのご理解とご協力が必要です。観光でのトラストトレイン乗車、ボランティア参加、募金などトラストトレインへの関わり方はさまざまありますので、ぜひご関心をお寄せください。
通常年5回運行のほか随時運行
*運行日は上記「現地からのメッセージ」をご覧ください。
通常のご乗車と同じく、特急料金と乗車料金がかかります。
大井川鐵道株式会社のウェブサイトでご確認ください。
*JNT会員の方は、会員証提示で普通(大人)片道運賃が1割引となります(2018年度現在)。詳しくはJNTまでお問い合わせください。
トラストトレインは写真撮影や映像撮影のロケ地として、イベント会場としてご利用いただけます。大井川鐵道沿線には茶畑、豊かな自然、歴史的な駅舎など、様々な景色が広がります。詳しくは大井川鐵道にお問い合わせください。
【所在地】
静岡県島田市 金谷東二丁目1112番地 大井川鐵道新金谷駅SLセンター
【アクセス】
①鉄道
JR東海道線「金谷」駅下車、大井川鐵道「金谷」駅に乗り換え「新金谷」駅下車
②車
新東名「島田金谷IC」から国道473号線を金谷市街方面(南)へ約10分。または東名「相良牧之原IC」から国道473号線を静岡空港方面(北)に約15分。
*新金谷駅駐車場(有料)をご利用ください。