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公益財団法人日本ナショナルトラスト
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パイロット事業

地域の実情に即した支援事業を構築し、JNTの可能性を高めるために、先行して事業を実施しました。 2015年度から始めたパイロット事業をご紹介します。

大分県臼杵市

国宝臼杵石仏(磨崖仏)で知られている大分県の臼杵市は、永禄期に大友宗麟によって城下町が建設され、400年余りの歴史があります。地域には、臼杵城跡と、旧武家町である二王座、海添地区には武家屋敷が残っています。また、旧町人地に当たる町八町と呼ばれる地区は町家が軒を連ね、城下町の町割がそのまま残っており、往時の風情を感じさせます。臼杵は1985年度にJNTが観光資源保護調査を実施し、景観条例など歴史的環境を保全する制度や住民団体の活動によりまちづくりが推進されました。その後、観光資源保護調査のフォローアップを経て、JNTが臼杵の地域遺産活用のサポートを行いました。

概要

地域
大分県臼杵市
取り組みの主な主体
(一社) 臼杵のんき屋など
JNTの役割
専門家のコーディネート、情報提供など
実施期間
2018年度~2023年度
成果
以前は地元で着目されていなかった上臼杵駅、巨大防空壕等に価値を見い出し、(一社) 臼杵のんき屋が調査や修理を行い地域遺産として磨き上げました。地域の他団体と連携することで、多様な活用ができる観光資源に生まれ変わりました。

取り組み事例

  • 臼杵駅のとなりの無人駅・上臼杵駅について、(一社) 臼杵のんき屋が活用を検討していました。JNTが専門家を派遣し、活用方法を検討するワークショップを開催しました。
  • 臼杵にある国登録有形文化財齋藤家住宅の裏手、福良天満宮の真下にある巨大な「屋敷余り特殊地下壕」(特殊地下壕とは旧軍、地方公共団体、町内会等が築造した防空壕のこと)の活用に向けて、(一社) 臼杵のんき屋が調査やがれきの撤去などを行いました。また、JNTの会員優待施設として登録し、広く会員に紹介しました。
  • 2023年度に、(一社) 臼杵のんき屋が申請した事業「ナショナルトラスト・ワーキングホリデー~歴史的建造物に学ぶ、直す、泊まる~」が、観光庁補助事業に採択されました。JNTはこの団体の事業に外部連携先として協力を行いました。この事業は日本人および海外の旅行者をターゲットに、文化財などに滞在しながら古民家の修復プログラムを提供するもので、整備の終わった屋敷余り特殊地下壕探検、上臼杵駅での駅長体験、シーカヤックなど魅力的なプログラムを開発することができました。

そのほかのプロジェクト

パイロット事業から支援事業へ

これまでJNTでは、地域の課題やニーズなどを踏まえ、活動団体や協力者とともにパイロット事業を行いました。
パイロット事業を経て、支援事業を実施しています。

支援事業は次のように地域遺産に
寄与しています

  • 地域の状況に応じたきめ細やかなサポート 地域の状況変化に対応し、複数年度に渡るきめ細やかなサポートが受けられます。
  • JNTが持つ資源の活用 JNTが関係する企業や他の中間支援組織、信頼性のある専門家などの人材ストック、JNTが持つ地域遺産保全のノウハウを活用できます。
  • 地域に生まれる具体的な変化 地域が抱える課題を分解し、具体策を明確にし実行することで地域に変化が生まれます。この変化を契機に、まちづくりを次のステップへと進めることができます。
支援事業の詳細