パイロット事業
地域の実情に即した支援事業を構築し、JNTの可能性を高めるために、先行して事業を実施しました。 2015年度から始めたパイロット事業をご紹介します。
山梨県甲州市上条集落
山梨県甲州市上条集落は、山梨県の甲府盆地東部に広く分布する茅葺切妻造民家が多く残る山村集落です。養蚕により発達した突上げ屋根が特徴的な茅葺き民家と豊かな自然が織りなす景観を有し、2015年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
JNTが最初に上条集落に関わったのは2004年度に行った観光資源保護調査でした。その後2017年から、集落の活性化に取り組もうと集まったメンバーで結成された「上条を活性化する会」の皆さんとともにパイロット事業を実施しました。
概要
- 地域
- 山梨県甲州市上条集落(国の重要伝統的建造物群保存地区)
- 取り組みの主な主体
- 上条を活性化する会
- JNTの役割
- 活動のサポート、イベント運営補助、情報提供、情報発信、外部協力者とのコーディネート など
- 実施期間
- 2017年度~2023年度
- 成果
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- 上条集落の今後のビジョン検討やイベントの企画・実施を通して、関係者間で意見交換を行い、まちづくりの方向性について改めて共通認識を持つ機会になりました。
- 住民の集落への思いや、まちづくりに対する意見を反映し、外部協力者と連携しながら上条集落おさんぽマップを作成しました。
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取り組み事例①
定例会でのファシリテーション、イベントの運営補助上条を活性化する会(以下、「活性化する会」)では月に1度定例会が開催されます。JNTも参加し、集落の活性化に向けたアイディア出しやビジョンの検討、情報発信等について、ファシリテーターを務めました。また、年に2回、活性化する会の主催する収穫祭で運営補助を行い、情報発信、参加者アンケートの収集や分析を実施しました。
定例会収穫祭取り組み事例②
まちあるきワークショップの実施「外の人が上条集落のどこに魅力を感じるのか知りたい」という活性化する会のメンバーの意見を受け、まちあるきワークショップを実施しました。JNTは上条集落外の参加者の募集やコーディネートの他、参加者間の密な意見交換や交流を目的とした企画作りを行いました。1泊2日のイベントでは、活性化する会とJNTが協力して、上条集落見学会やオコヤのミニチュア作り体験、まちづくりに関する意見交換会や交流会を行いました。集落内外の参加者が交流を深め、まちづくりの次の展開を検討するステップになりました。
※上条集落では、新年の小正月に道祖神まつりが行われます。オコヤとは、道祖神にかける仮小屋のことを指します。まちあるき交流会オコヤのミニチュア作り取り組み事例③ マップの作成
まちあるきワークショップ実施後、活性化する会のメンバーから「上条集落の歴史文化の情報をまとめ、記録を残したい」、「上条集落を訪れた人にも歴史や文化を伝え、集落内を散歩してほしい」と意見が出ました。そこで、JNTが活性化する会とデザイナーをつなぐコーディネーターとなり、サポートをしながら上条集落のマップ作成を行いました。
マップに掲載する内容は、活性化する会の定例会でヒアリングを行い決定しました。マップ作成を通して、活性化する会のメンバーの集落に対する思いやこだわりを、あらためてメンバー間で共有することが出来ました。
取り組み事例
そのほかのプロジェクト
パイロット事業から支援事業へ
これまでJNTでは、地域の課題やニーズなどを踏まえ、活動団体や協力者とともにパイロット事業を行いました。
パイロット事業を経て、支援事業を実施しています。
支援事業は次のように地域遺産に
寄与しています
- 地域の状況に応じたきめ細やかなサポート 地域の状況変化に対応し、複数年度に渡るきめ細やかなサポートが受けられます。
- JNTが持つ資源の活用 JNTが関係する企業や他の中間支援組織、信頼性のある専門家などの人材ストック、JNTが持つ地域遺産保全のノウハウを活用できます。
- 地域に生まれる具体的な変化 地域が抱える課題を分解し、具体策を明確にし実行することで地域に変化が生まれます。この変化を契機に、まちづくりを次のステップへと進めることができます。