白市は、戦国時代に白市城が築かれたことを契機として成立したと考えられている。江 戸時代、広島藩(芸州浅野藩)南部のほぼ中央に位置し、交通の要衝でもあったことから藩内で最も大きな牛馬市がたっていた。最盛期は1日あたり500頭を超える牛馬が集まり、市が賑わったと言われている。一部の豪商は酒造業や瀬戸内での塩田を経営しており、国重要文化財の旧木原家住宅をはじめとする町並みは往時を偲ぶたたずまいを今に伝えている。また、幕末ごろから鋳物業が盛んに行われており、鍋釜や梵鐘などを数多く生産した。特に厳島神社に寄進された高舞台正面の青銅製大燈籠は彼らの最高傑作である。