北野異人館の歴史は1868年神戸が諸外国に向けて港を開いたことにはじまる。北野町、山本通のある山手一帯は、緩やかな南斜面の見晴らしのよい住宅地として早くから外国人に注目され、明治初年から住宅が建てられたが、本格的な外国人住宅地として発展するのは明治20年代からである。神戸の異人館の特徴として、当時神戸のまちに住んでいた外国人の建築家が、本格的な西洋建築の意匠を施しており、その水準の高さやセンスあるエキゾチシズムを感じさせる。現在も「風見鶏の館」「萌黄の館」「うろこの館」など30数棟の異人館が残っている。北野町・山本通地区は昭和55年、種別「港町」として最初に重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。