名勝大乗院庭園文化館 館長からのメッセージ
館長 植田光政
世界遺産東大寺、興福寺、春日大社等点在する奈良公園と、同じく世界遺産の元興寺を中心としたならまちの接点に、名勝旧大乗院庭園はあります。
庭園の南側にはヘリテイジセンターとして名勝大乗院庭園文化館が併設され、エントランスホールと2階から庭園全体の眺望が楽しめます。館内は庭園に関する歴史資料等の展示の他、散策休憩や地域の文化活動施設としても活発に利用されています。昨年の3月末で開館20年を迎え、その年度内に入館者数は100万人に達しました。
大乗院庭園は平成7年から管理団体であるJNTが主体となり、発掘調査とその成果によって復元整備が進み2010年から一般公開されました。当文化館から入園して庭園の西側一帯を散策できます。 興福寺の門跡寺院であった大乗院の庭園は、室町時代に徳政の一揆(1451年)の甚大な被害から復興の際、足利義政に寵愛された“善阿弥”が改造に関わったとされる貴重な庭園で昭和33年に国の名勝とされました。
一般公開から7年を経て、2017年度には広大な苑池を周遊できる園路が整う予定です。また、庭園のモチーフとなっています朱色の「反り橋」も架け替えが検討されていて、実現すると、散策回遊空間が格段に広がると思います。 のびやかな庭園の四季折々の美しさを堪能して頂けます。色々な眺めを観察しながらそのひとときに浸ってください。
